2010.2.25
映画祭報告2回目
ホテルから見える、Clermont-Ferrand Cathedral(クレルモン大聖堂)
クレルモンフェランの短編映画祭に参加して、ブースを出して映画祭のPRを行っていますが、この映画祭へ参加するのは、もう一つ目的があります。それは、International Short Film Coordinationの会合に出席するためでした。
この組織は、世界中の短編映画祭と短編に関わる様々な組織・団体が加盟しています。ちょっとしたインディペンデントな集まりです。世界中から集まった関係者と会って交流を深めお互いの運営に役立てようと集まっているそうですが、今年のこの会合、昨年とほぼ同じ事を議論していてちょっと残念。世界中に散らばるたくさんの参加者をまとめるのはそんなに簡単な事ではないようです。しかも、理事のメンバーやもちろん参加している当事者も皆自分たちの事で精一杯。(映画祭の運営はどこも同じで大変そうでした。)
新参者の日本の映画祭として、長い歴史を持つ各国の映画祭関係者と知り合いになれる事はとても有意義な事で、色々アドバイスももらいます。この団体では札幌がアジアのまとめ役に、となりました。(ちなみに昨年も同様だったのですが….)
映画祭のブースには相変わらず、監督達や各国のディストリビューター、映画祭関係者が立ち寄ってくれています。
今年の審査員のポール・ドリエセン(Paul Driessen)さんがブースに立ち寄ってくれました。彼は
「第12回広島国際アニメーションフェスティバル」で国際名誉会長になっていましたね。
カナルプラスのパスカルさん、クレルモンフェランの映画祭の最大スポンサーの1つです。マーケット上映に来てくれる事を約束してくれました。
クレルモン映画祭ではコンペの他に、沢山の特別プログラムが上映されています。今年、特に注目度が高かったのが、「Pink Midnight」プログラムでした。女性による、エロティック・フィルムの上映(An exceptional screening of erotic films by women. This selection of short films offers a peak into women’s view of sex.)、しかも真夜中からの上映でした。
会場は超満員、監督達も舞台挨拶に来ていました。内容はかなり過激だったようです。
札幌からのマーケット上映を控え、映画祭各所ではPR合戦が行われています。
ピジョンホールの周りも、チラシだらけ。
マーケット会場では、各国のプロモーションがおこなれていますが新しいサービスも始まっていました。
スコットランドのScottish Screenはオンラインを使ったプロモーションを始めました。
Scottish Screen – Best of Scottish Shorts
DVDを作って配ってもすぐに無くなってプレスし直す事もあったようです。Scottish Screenがプロモーションしている作品すべてが観られるわけではないですが、少しずつ増やしていくそうです。クレルモンフェランの映画祭に合わせてサービスを始めたそうですが、まだベータバージョン。最近カナダのNational Film Board もオンラインのサービスを始めたばかりですね。
ついにマーケット・スクリーニングの当日、SSFはSAPPORO Short Fest Animation Shortsというプログラムで上映しました。今回の上映の主役は、森本晃司さんとセンコロールの宇木敦也さんでした。
会場は朝の9時という事で、それほど集客は期待していませんでしたが、50人までは集まらず40人前後。それでもまだ良い方ですよと言ってもらえました。なんとか善戦したかな。
舞台挨拶をする二人。対象は基本的にマーケット参加者です。
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マーケット上映をしたあと、札幌のブースに立ち寄ってくれたのは作曲家のピエール・イブ・デラポゥ(Pierre-Yves Drapeau)さんでした。SSF2009の上映作品:翼とオール(Wings and Oars)の音楽を担当した方でした。上映作品を観て、日本人とは仕事をした事がないのですが札幌在住の高橋さんの作品「めぐりみち」の監督作品に曲を提供してみたい、と言ってくれました。
マーケット上映を終えて、同じ日の夕方はショート・ショートのメンバーと一緒に日本ブースのハッピーアワー行いました。日本から持参の焼酎と札幌自慢のスイーツ。さらに現地調達のフォアグラとわさびを練り込んだ特製クリームチーズを振る舞う。
夜には、今回の遠征チームがクレルモンフェランで一番旨いと自信を持って推薦するインド料理屋:L’ EVERESTの前で記念撮影。このレストランには過去に何度もお世話になっております。
その後、夜のClermont-Ferrand Cathedral(クレルモン大聖堂)を拝んできました。
マーケット上映の翌日も引き続き映画祭のプロモーションなどを行いつつマーケット会場最終日を迎えました。撤収後は、映画祭の上映プログラムのチェックです。
クレルモンフェランの映画祭では、子供向けプログラムを上映して、小学生を無料招待しているようですが、親子で行けるチルドレンのプログラムを観てきました。
メイン会場近くの大学のホールで上映。いつもは一杯になる会場がこの時は少し空きがありました。
映画祭の最終日はアワードの発表です。アワードセレモニーは事前にチケットを受け取る方式。今年のアワードの発表は3回も行われたようです。私たちは、午後6時から行われた最初の発表を観に行きました。
今年の受賞結果はこちらからどうぞ。
今年のクレルモンフェランの映画祭は監督の参加者が少なかったようです。マーケット会場のブースに来た監督達も例年より少ない印象でした。沢山の賞が発表されましたが、受賞者のコメントを主催者が伝える場面が多くありました。最後にグランプリを発表しましたが、そこまでで既に2時間近く経っていました。LABとインターナショナル共に今年のグランプリ作品はみんなの期待とはずれた作品が選ばれたようで、会場はいまいち盛り上がらなかったのが残念。
最終日のアワードの発表が終われば、市内の中心部から少し離れた会場で、映画祭スタッフ、ボランティアを含めたパーティーがあります。私たちはパーティーで息抜き、という訳にはいかず、パーティー会場で気になる作品の監督達に会って来ました。
翌朝早くからクレルモンを出発、パリに向けて移動でしたが、SSF2009の上映作品でクレルモンのコンペにも選ばれた:ピジョン:インポッシブルの監督に駅で会う事が出来ました。札幌の観客のリアクションなどを伝えたり、契約しているディストリビューターについてなど、パリへ向かう間少し会話できたのはラッキーでした。
今年のクレルモンフェランの映画祭では沢山の秀作が紹介され、マーケットに登録されていました。札幌でも優秀な作品は紹介していこうと思っています。
現在、SSFの事務局では2010年の開催に向け、クレルモンのマーケット会場で受け取った沢山のDVDを視聴して、作品エントリーの準備をしています。SSF2010の映画祭への
作品募集は3月31日まで行っていますので是非、応募してください。
既に世界中から600本を超える作品DVDが到着しています。
ブログでは、あまり紹介できませんでしたが、また来年もクレルモンフェランの報告をしたいと思います。来年は日本の作品が受賞する場面に居合わせたいですね。SSFではこれまで過去3回、クレルモンフェランの映画祭でグランプリを獲るなど日本の作品を紹介しています。