2018.12.14
10月の映画祭が終了して約1ヶ月後、11月11日から25日までスペインのカスティーリャ・イ・レオン州ソリア県のソリアで今年で20周年となるソリア国祭短編映画祭(意訳です)| Certamen Internacional de Cortos Ciudad de Soriaに札幌国祭短編映画祭から国際審査員として参加してきました。
映画祭として20周年目の今年、2018年は日本スペイン外交関係樹立150周年という節目なので日本を特集。沢山の特別上映とイベントを実施してくれました。各国映画祭では、毎年映画祭としてフォーカスする国を決めて特別プログラムを上映する事が一般的になっています。日本特集という事で国祭審査員も東京のショートショートフィルムフェスティバル&アジアから1名、札幌から1名招がへいされました。国祭審査員は他に、カナダ、ケベックのREGARDとスペイン、バレンシアの映画祭、そして、ベネチア国祭映画祭のビエンナーレ・カレッジ・シネマのアーティスティック・ディレクター/ビジュアル・アドバーザーでビジュアル・アーティストのALEC VON BARGEN氏が参加しました。参考:ベネチア国際映画祭の新人監督育成プロジェクト
映画祭のオープニングには札幌国際短編映画祭推薦作品の『そうして私たちはプールに金魚を、』が上映されました。
他にも会期前半は関連イベントが沢山行われ、緊縛のロープWSや枯山水のパフォーマンス、ダンスパフォーマンスWSなど。
映画祭のドキュメントビデオが公開されています。
スペインの国祭短編映画祭と言うことで、スペインの作品はスペインのアカデミー賞に相当する、ゴヤ賞の候補に推薦される映画祭でした。
市内の広場の一つ、この先に映画祭のメイン会場があります。
歴史のある建物がメイン会場となっていますが、内部は綺麗にリノベーションされていて、趣のある外観は残されていました。
審査員5人で始めたコンペ入選作品の審査は夕食時から深夜の2時まで、様々な議論を重ねついに決定!毎年、海外審査員を招へいしている立場からすると見た目以上になかなか決着しない議論を続けるには精神力が要求されます。5人の審査員がたどり着いた受賞作品のリストはこちら。
グランプリにイラン制作、 Kaveh Mazaheri監督の『Retouch』が選ばれました。主演女優の演技も高く評価され、各国映画祭でも上映が続いています。
審査員として映画祭に参加して現地の日本に対する興味と日本に対する憧れや好意を直に語ってくれる人が沢山いて驚きます。ショートフィルムを通じた映画際の交流は改めて重要だと感じます。映画際を通じて沢山の魅力的な映画/映画際関係者と出会うことが出来ました。
ソリアは小さな街ですが郊外には「スペインの忘れられた土地」といわれる美しい自然が広がっています。ドクトル・ジバゴがスペインで撮影された時にはソリアもロケ地の一部となったそうです。また、アラブの城「ゴルマス城」があったり、ガラパゴス諸島を発見したスペイン人宣教師のフレイ・トマス・デ・ベルランガはソリア出身で、地元の教会(COLLEGIATE CHURCH OF SANTA MARÍA DEL MERCADO)にはアリゲーターの剥製が飾られています。牛の放牧ものんびりとした自然もリッチな歴史と共にとても興味深い地域でした。
資料:“ヨーロッパ最大かつ最古のアラブの城”千百年の歴史を超えるゴルマス城ってどこ?ソリア県その②