2008.3.10
タンペレ映画祭報告その3です。
3月9日は最終日で、14:00から授賞式に参加しました。
映画祭のメイン会場は市内のPLEVNAというシネコンなのですが、授賞式はこの中でも1番広いスクリーンで行われました。
やはり授賞式チケットの人気は高く、ほぼ売り切れ状態だったようです。
さて、いよいよ賞の発表です。
まずは先日のエントリーでも紹介したVideotivoliの賞の発表が行われました。
最優秀賞は「MC DOC」という作品で、ラッパーに憧れている農家の息子が、葛藤を抱えながらも最終的には家業を継ぐという青春映画でした。
これを制作した子供達(5人)も会場に来ていました。中学生ぐらいでしょうか。満員の観客の拍手を受けてとても嬉しそうでした。
続いてフィンランドの国内部門の賞が発表されました。
今回フィンランドの映画をずいぶん見ましたが、人間のダークな部分を扱った暗めの作品が多かったように思います。フィンランドに滞在していると、気候のせいなのか、日本に居るときよりも鬱々とした気分になる時がありますが、映画はそういう国民の心理状態を映したりするのかもしれません。特にショートフィルムは監督の意図がそのまま表現されていることが多いので、余計にそのようなことが起こりやすいのでしょう。
最優秀賞は”HIGH HOPES”という学生の作品でした。レベルの高さにびっくり。
この監督は要チェックです。
続いて今年から始まったLABIOという実験映像部門の賞の発表が行われました。
実験映像はショートフィルムならではのジャンルで、札幌にも毎年かなりたくさん応募されてきます。
なかなか理解し難いものもありますが、様々な表現のパターンがあり、使われている編集テクニックも豊富でとても刺激的です。
最優秀賞はイギリスの”THE LIFE SIZE ZOETROPE”という作品でした。
イギリスは実験映像強いんですよねー。
こちらが作品のウェブサイトです: http://www.hewis.co.uk/LSZindex.html
最後にインターナショナル部門の賞が発表されたのですが、なんとグランプリの作品がアニメーション賞、観客賞と共にトリプル受賞という大波乱!
作品名は”Madame Tutli-Putli”。「マダム トゥトゥリ・プトゥリ」と読みます。
カナダのNFBという組織が支援している作品で、キャラクターの目が本物か?と思うほどリアルだったり(本物を合成しているらしいですが)、クレイアニメーションなのか3Dなのかわからない部分があったり、とにかく複雑で緻密なアニメーションです。
こちらで予告編が視聴出来ます: http://www.nfb.ca/webextension/madame-tutli-putli/
写真(下)の赤い服を着た女性は、フィンランド在住のカナダ文化交流大使のような人らしいのですが、不在の監督の代わりに3回もステージへ上がっていました。
この作品はぜひ札幌の皆さんに見ていただけるようにしたいと思っています。