SSFニュース「映画祭報告 / Report」カテゴリ記事一覧
10/17の12時からは、映画祭のために来札したフィルムメーカーやプロデューサーがマーケット会場であるEDiTに集まり、 参加者全員がステージに上って、Filmmakers Meetingが開催されました。
ミーティングの話題は多岐にわたりましたが、"自らが作りたい作品"と"商業・ビジネス"との関係についての話題は特に白熱し、各々のフィルムメーカーがそれをどうクリアし、どうバランスをとっているのかなど、活発な発言が相次ぎ、非常に盛り上がりました。
こうしたテーマでのミーティングも、短編映画に焦点を絞った映画祭ならではの機会といえるでしょう。
17日(土)18時からの「N-B」プログラムは、開場前から長蛇の列ができ、映画祭始まって以来の大入り満員、立見が出るほどの大盛況となりました。
ご来場いただいた皆様、足をお運びいただき、ありがとうございます。
また、会場混雑によりご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。
こんなにも多くの皆様にご来場いただき、大変嬉しく思っております。
今後も、多くの皆様のご期待に応えられる短編作品をご紹介していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
昨日に引き続き、10/16には2回目のFilmmakers Presentationが行われ、5人のフィルムメーカーが作品の概要や撮影秘話などをプレゼンテーションしました。
(↓ テリー・オリアリー監督。「最初から答を見せず、観客に考えさせる作品づくり」を心がけている)
(↓ エリック・ローゼンルンド監督。上映作品の「Looking Glass」は長い時間をかけて鉛筆描きで仕上げた作品)
(↓ シモン・ワロン監督は、「なぜ自分は映画を撮るのか」を、いつも自問しながら制作している)
(↓ 島田英二監督。米国で映画製作を学び、札幌に戻った2000年以降、札幌に映画づくりを支援する環境が急速に整ったという)
(↓ 横須賀令子監督は、「モノが変化していく様子が好き」で、作品にもそれが投影されている)
SAPPORO SHORT FESTでは、ショートフィルム制作者同士の情報共有や交流を深めてもらうことを目的に、ノミネート監督やプロデューサーに、自らの作品の見どころや制作現場の裏話などを披露してもらう "Filmmakers Presentation" を開催しており、今年は全部で10人のフィルムメーカーにプレゼンテーションをお願いしました。
「作品を制作する中で直面する課題をどのように解決しているのか?」、「どういう技法で作品を制作しているのか?」など、他のフィルムメーカーの事例は、自身の作品制作にとって大いに参考になるようで、プレゼンターに対して他のフィルムメーカーは積極的に質問を投げかけていました。
参加したフィルムメーカーから大変好評なこのプレゼンテーションは、SAPPORO SHORT FESTの一つの特色にもなっています。
(↓ Filmmakers Presentationのトップバッターはアナ・マッグラス監督)
(↓ アレキサンダー・フィリップ監督。印象派の画家に影響を受けたという)
(↓ コナー・ファーガソン監督は、初めて撮った作品がクレルモンフェラン国際短編映画祭でオーディエンス・アワードを受賞)
(↓ 高橋幸子監督。ノミネート作品の「めぐり道」は、すべてパステルを使って描いた作品)
(↓ 森尾一幸プロデューサー。ノミネート作品「うみといのち」は、ベルギーのアニメーターと大阪の子どもたちが10日間のワークショップで作り上げた作品)
10月16日(金)深夜はオールナイト上映!
現在、深夜2時30分ですが、会場はご覧のとおりの大盛況です。
夜遅くのご来場、ありがとうございます。
会場1階の飲食店「HUGイート」も、一部の店舗がオールナイト営業中。
お腹を満たしながら、世界のショートフィルムをお楽しみください。
国内作品を集めたN-Aプログラムには、全7作品のうち、田吹佑輔監督(「停留所)」、高橋幸子監督(「めぐり道」)、筧昌也監督(「愛の小手指」)が会場に駆けつけ、檀上で観客に紹介されました。
筧監督は「小手指というのは東京の埼玉の中間にある地名ですが、そこを舞台にずっと作品を作りたいと思っていました。上映が6番目で、しかも5分しかない作品なので、一瞬寝てしまうと無かったことになってしまうので、皆さん、頑張って寝ないで観てください」と挨拶し、客席から笑いが起きていました。
(↓ 写真左から 筧昌也監督、高橋幸子監督、田吹佑輔監督)
(↓ 写真左から 高橋幸子監督、田吹佑輔監督、筧昌也監督)
集まったフィルムメーカー同士の交流も、映画祭の大事な役割のひとつ。
15日夜には、札幌のパブで「フィルムメーカーズ・パーティ」が開かれ、国籍も性別も年齢も関係なく、SAPPORO SHORT FESTに集ったフィルムメーカーたちが交流を深めました。
パーティの開始時刻は21時でしたが、大変な盛り上がりで解散時刻が一体何時だったのか誰に聞いてもはっきりしないという、何とも恐ろしい夜だったようです。
ここ札幌での交流が、さらに素晴らしい短編映画の制作意欲を高め、またこのSAPPORO SHORT FESTに応募してほしい・・・そう願いたいものです。
16日の18時からは、文化庁とのタイアップにより、「メディア芸術祭」プログラムを上映。
第81回米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した「つみきのいえ」の加藤久仁生監督と「KUDAN」の木村卓監督としてお招きし、舞台挨拶とQ&Aを行っていただきました。
(↓ 加藤監督(左)と木村監督)
■木村卓監督(「KUDAN])の舞台挨拶
「ずっとCGを作っておりまして、この「KUDAN」もフルCGと3Dのアニメーション作品です。アニメーションを作っている過程は、一般の人には見えにくいかもしれませんが、この作品は私とアニメーターの2人ですべて作りました。内容も私個人のパーソナルな想いが反映されています。そういう点を念頭に置いて観ていただければと思います」。
■加藤久仁生監督(「つみきのいえ」)の舞台挨拶
「先ほど東京から着いたばかりです。北海道は初めてなので、1週間くらい滞在してゆっくり見て回りたいのですが、明日には帰らなくてはならず残念です。
作品自体は2007年の年末にできた作品なので、自分としては結構時間が経ってしまっていると思っているのですが、色々なところで作品を観ていただく機会があり、こうして札幌の映画祭でも上映されることを嬉しく思っています。10分間の短い作品ですので、じっくり、自由な気持ち観ていただければと思います」。